題:「黙っていないといけない時に君は黙り、喋らないといけない時に君は黙る」

・コンセプト
 行為(技術)が大事なのか、結果(コンセプト)が重要なのか。情報が溢れる今、私たちは個々で自身の内側と向き合い、物事のアンチテーゼに対して真摯に受け答えができる準備ができているだろうか。
 いつ迄も、見えていないし、見ようともしないでは済まされない今を模索します。

 アブストラクトな作品に対峙した時、鑑賞者によって受け取るポイントが大きく違う。ある人は何を撮影したかを考え、技術的な正解かどうかの観点。あるいは、色や形のリズムなど、感覚的観点。
 作品の何処に焦点を合わせても正しく、または正しくないとも言えてしまう。敢えて見させないような状況にすることで、「正解」ということへ問題提起をし、自我を揺らし現状の立ち位置の再確認を促したい。
解説: 「これは何を撮影しているのか」写真と対峙したとき、正解を求めるように、写っている情報を元にして、読み取ろうとします。これは花火を撮影した写真ですが、現実から大きく加工され、手がかりとなる情報が稀薄になると、「理解する」という事が困難になります。果たして、正しく写っている状態というのが唯一求められているものなのでしょうか、そもそも正しいとは、何を基準にしているのか、物事に於いてその観点は重要なポイントだと私は考えます。

[フィルムで撮影後、デジタルデータ化し、PCで加工後、大型インクジェットプリンターで出力。フォトフレーム制作]
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70.5cm×51cm

解説: 物質的距離(現実)画面の向こう側の距離(非現実)。写真が発明された時、トールボットが「自然の鉛筆」と題したように、[写す]という行為は、それだけ抽出すれば、紙と鉛筆があれば可能です。この作品はデジタルとアナログの両方からのアプローチを行い、写真の上に残される鉛筆の絵と、機械を使い写された画像と融合させ、物質的レイヤーとデジタル的レイヤーが作り出す空間によって、焦点の合う場所を意図的に変化させ、[写す]という意味をどう[見る]のかについてアプローチしています。

[インスタントフィルム(impossible)で撮影。敢えてピントを外して撮影したものと、正確に合わせた二枚を用意し、それらをスキャンして、インクジェットプリンターで出力。ピントを外した方を白黒コピーし、正確にピントを合わせた写真を参考にして、鉛筆でピントが合っているように描いた。それを木パネルに貼付け、ニスを塗り、加工したアクリル板を接着]
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18cm×14cm

解説: インスタントフィルムの写真を、エマルジョンリフトで木パネルに定着させ、絵の具を使い彩色することで、写真のもつ複製性を極力排除し、限りなく絵画に近づけています。どこまでが写真と言えるのかを問いたいです。

[インスタントフィルム(impossible)で撮影し、エマルジョンリフトで木パネルに貼付け、ニスを塗り、水彩絵の具で彩色]
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30cm×30cm

解説: 普通紙にプリントした写真に、水、油、絵の具で加工し、滲みやテクスチャーを付け、手前にあるものを奥に、奥にあるものを手前に見えるようにしました。現実にはあり得ない状況を、写真上でアナログな技法を使い表現しています。

[フィルムで撮影後、デジタルデータ化し、インクジェットプリンターで普通紙に出力した後、水、油、水彩絵の具で彩色。アクリル板を加工。フォトフレーム制作]
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14.5cm×19.7cm

解説: 対象がはっきりと提示されていない場合、真実と全く異なる解釈で受け取ることがあります。目的が[それ]を知って欲しくて撮影しているのなら、間違った方法と言えますが、この作品は理解ではなく思考そのものへのアプローチなので、写っているモノの正体をどう解釈されても間違いではありません。

[インスタントフィルムで撮影後、エマルジョンリフトで台紙に貼付け。フォトフレーム制作]
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14.4cm×14.5cm

解説: 選択の芸術であると言える写真に於いて、鑑賞者の見るポイントの選択も重要になります。キャプションも無く、この写真を見た時、何に見えるか。海の波なのか、川、湖、そもそも波なのか。疑問ももたず「海の写真ですね」と解釈するのも一つの選択ですが、想像力を膨らませて鑑賞することで、選択肢が増え、見えてくる世界が変わります。

[フィルムで撮影後、明暗を調整し、焼き増しプリント。フォトフレーム制作]
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14.6cm×14.5cm








題:無題

解説:無意識行為と意識的行為の対話。計算して得られていない写真を見て、パーソナルな感情とリンクさせ、写真から伝わる情報にアナログな手法で答えています。色や形のリズムや、写真と絵の痕跡の差異等、多層なレイヤーによって、空間演出し、写真を素材に彫刻しています。

[デジタルカメラにピンホールレンズを付け、長時間露光設定にして、立ち止まってカメラを構る等はせず、撮影を意識しないように持ち歩いて、夜の街中を撮影。普通紙にプリント後、木パネルに貼付け、油、水彩絵の具、水干絵の具、ニスで彩色。]
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36.3cm×25.7cm
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36.3cm×25.7cm
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36.3cm×25.7cm